景気動向指数で経済全体を知ろう

色んな経済指標をまとめて大きな動きが分かる

景気判断の基準(数値)を景気指標と呼びます。
この景気指標にはいくつもの種類があり、それぞれに特徴があって、
その動きは必ずしも一致しているとはいえません。
そして、どの指標が正しいとも言い切れないのです。

そこで考えられられたのが、各景気指標を統合して 景気そのものの全体像を
映し出せないかということです。
これらの要請を受けて開発・公表されている指数で、
最も代表的なものが景気動向指数です。

これには、先行系列(12指標)、一致系列(11指標)、遅行系列(6指標)の3系列があり、
合計29の指標をある計算式に当てはめて景気の動向を判断しています。
先行指数は一致指数に数ヶ月先行し、遅行指数は半年~1年遅行すると言われています。


・景気動向指数の中身
先行系列 一致系列 遅行系列
1 最終需要財在庫指数 1 鉱工業生産指数 1 第3次産業活動指数
2 鉱工業生産財在庫指数 2 鉱工業生産財出荷指数 2 常用雇用指数
3 新規求人数 3 大口電力使用量 3 実質法人企業設備投資
4 実質機械受注 4 稼働率指数 4 家計消費支出
5 新設住宅着工床面積 5 所定外労働時間指数 5 法人税収入
6 耐久消費財出荷指数 6 投資財出荷指数 6 完全失業率
7 消費者態度指数 7 商業販売額(小売業)
8 日経商品指数(42種) 8 商業販売額指数
9 長短金利差 9 営業利益
10 東証株価指数 10 中小企業売上高
11 投資環境指数 11 有効求人倍率
12 中小企業業況判断
来期見通し

※緑色の指数は、このサイト内で詳しく説明しています。


景気動向指数の計算方法は意外とカンタン

それぞれの採用指数を3ヶ月前のものと比較し、
3ヶ月前より「良くなっている」指標には「+」、「悪くなっている」指標には「-」、
「変わらない」指標には「0」をつけます。
「+」には1点、「0」は0.5点、「-」には0点として、全体の加重平均を算出します。

式は以下の通りです。

景気動向指数(%)
={(「+」指数の合計点+「0」指数の合計点)/採用指数の数}×100

例えば、ある月の採用指数の数が11あり、 そのうち「+」が6、「-」が2、
「0」が2であるとすれば、
景気動向指数={(6×1点+2×0.5点)/11}×100=63.63%となります。

景気動向指数の見方は簡単です。
指数が50%ラインを上から下に切るときを景気の山、
下から上を切るときを景気の谷と呼びます。

また、3ヶ月連続で50%を上回ると景気が好転、
逆に、3ヶ月連続で50%を下回ると後退に転じたと判断します。